クリエイティブと効率、そして『Sicko』

 昨日は一日、新作のためのちょっとした実験をしていて、結果的にはうまくいかず徒労に終わる、、。やはり頭で思っていたものと、実際にやってみるのとではかなり開きがある。
 でも、こういうのって、やってみなくてはわからないし、面白いもんで、やっているうちに、別の方法を思い付いたり、まったく別のアイディアが浮かんで来たりする。

 先日、とある映画シンポジウムで冨田勲氏がゲストに呼ばれていたのだが、最後のほうにあった質疑応答の時間に、ある青年が、『冨田さんはやはりオーケストレーションとかはオーケストレータ−(オーケストレーションを専門にやる人)まかせるんですか?』と質問していた。その青年からしたら、次々とつくり出される映画産業の現場では、それこそ職人的に、効率良く分業体制が整えられ、オーケストレーションなどという、膨大な時間がかかる作業など、大御所である冨田氏が自らやっているはずがないと思っていたのだろう。
 そこでの冨田氏の返答が、『そんな、一番美味しい部分を人に任せるなんてことはしませんよ(笑)』と。

 ほんとうにクリエイティブなことって、効率性とは対極にあるなとつくづく思う。

夜、マイケル・ムーアの『Sicko』を観る。相変わらず、そこかしこにウイットに飛んだ笑いが盛りり込まれていて、扱っている題材は深刻な問題にもかかわらず、たびたび声を出して笑ってしまう。それにしてもアメリカの医療保険の現状はひどいなと思うが、おそらく日本も同じような傾向をもっているんではないかと思う。
イギリスやカナダやフランスでは、医療費は基本的に国の保険でカバーされている。もちろんそれは税金からまかなわれているわけだけれども、その背景には、経済的に余裕のある人が経済的に余裕のない人に手を差し伸べようとする思想がある。おそらくアメリカにもそう考える人は沢山いると思うけれども、ミリオネラ−の数を比較しただけでも、やはりアメリカの格差というの群を抜いていると思う。
 別に、社会主義的な体制にならなくても、国の政策一つでどうにでもかわるはずなのだけれど、、。カナダでは、たった一人の政治家の発言で変わっていったというくらいなのだから。
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by mjuc | 2008-04-15 14:54